通常型(単発型・多発型)
円形脱毛症の中でも最も多い病型の一つです。円形の脱毛班が単発もしくは多発して起こります。
円形脱毛症は、以前はストレスが原因とされてきましたが、最近は、ストレスは発症の誘因の一つに過ぎず、「自己免疫性疾患」が病気の根本であることが分かってきました。通常であれば自分の免疫細胞は自分の細胞を攻撃することはないのですが、何らかの理由で異常に活性化してしまった免疫細胞が健康な毛根を攻撃してしまい、頭皮や他の部位に円形または卵形の脱毛斑を形成すると考えられています。円形脱毛症の種類や治療方法などを詳しくご説明します。
円形脱毛症の最も特徴的な症状は、頭皮や他の体毛の一部が円形または卵形の脱毛斑を形成することです。脱毛斑は通常、境界がはっきりしており、直径数センチメートルから数十センチメートルに及びます。また、脱毛斑は多発する場合や、進行する場合もあります。円形脱毛症の診断は皮膚科専門医による詳細な身体検査、抜毛テスト、およびダーモスコピー検査(トリコスコピー)などによって行われます。
円形脱毛症は「通常型」「全頭型」「汎発型」「蛇行型」などの異なるタイプに分類されます。
円形脱毛症の中でも最も多い病型の一つです。円形の脱毛班が単発もしくは多発して起こります。
頭皮全体の毛髪が失われ、頭部が完全に無毛となります。重度の脱毛症と判断されます。
これは最も重度のタイプで、頭部だけでなく全身の毛髪が失われます。眉毛やまつげなどの体毛も影響を受けます。
耳の周りの側頭部や首筋近くの後頭部などの頭髪の生え際が帯状に脱毛になります。
円形脱毛症は自然に治ることもあるため放置されている方もいますが、進行してしまうと治療に時間がかかったり、
元の状態に戻るのが難しくなってしまう場合が多くあります。
そのため、円形脱毛症を自覚した場合には、できるだけ早期から治療を開始することが重要です。
円形脱毛症の治療の中で最も一般的な治療方法です。
円形脱毛症で使用する外用薬にはステロイド外用薬、カルプロニウム塩化物などがあります。
円形脱毛症に対する一般的な内服薬としては、セファランチンやグリチロンなどがあります。
エキシマライトやナローバンドUVBなどの医療用の特殊な光線を照射し、皮膚で生じている過剰な免疫反応を調整し脱毛を改善させます。この治療は、一般的には週1~2回などできるだけ頻回に照射した方が効果が高いと考えられています。皮膚の症状を確認しながら、光線の照射量や照射回数の調整が必要となるため、皮膚科専門医のもとで適切に光線治療を継続していくことが重要です。
脱毛部に直接ステロイド薬を注射する治療法です。1ヶ所の注射部位につき少量のステロイド薬しか注入できないため、複数箇所に注射をする必要性があります。
重度の円形脱毛症の症例では、入院してステロイドパルス療法が検討されます。これは高用量のステロイドを静脈内に投与する治療法です。脱毛症の範囲や進行していく速さによっては、できるだけ速やかにステロイドパルス療法を行った方がよいため、速やかに必要性を判断し、近隣の総合病院をご紹介致します。
ステロイドパルス療法などを行っても極めて難治性で重度の円形脱毛症の患者さんには、JAK阻害剤という免疫抑制剤の内服治療を行います。JAK阻害剤を使用する前には様々な導入前検査(血液検査、胸部画像検査など)が必要です。長期的に内服治療を継続していくことが大切です。
円形脱毛症の他にも、男性型脱毛症、女性型脱毛症、脂漏性皮膚炎などの皮膚炎に伴う脱毛症など、
脱毛症の原因には様々な病態が存在します。それぞれの脱毛症は異なる原因や症状を持ち、治療法も異なります。
皮膚科専門医の診断と治療、アドバイスを受けることが、適切な治療を見つける第一歩です。
当院では、様々な脱毛症に対する診断と治療を行っております。どうぞお気軽にご相談ください。
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