2023.04.08
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法
今年は花粉の飛散量が例年よりも多く、花粉症の症状でお困りの患者さんから「舌下免疫療法」についての質問を多くいただきました。そのため、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対する治療法のひとつである「舌下免疫療法」について解説いたします。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが保険適用にて治療を受けることができます。治療開始前には血液検査にて治療の可否を判断する必要があります。
一時的に短期間、抗アレルギー薬を服薬する対処療法的な治療とは異なり、3〜5年ほど継続しての服薬(治療薬を舌の下に投与する)が必要となります。
正しく継続した治療が行われると、アレルギー症状が軽減され、長期にわたり症状を改善させる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。治療効果は個人差もありますが、数ヶ月後から徐々に期待できます。
スギ花粉に対する舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散シーズン終了後に治療開始が可能となります。ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は、一年中いつからでもはじめられます。
主な副作用としては、口の中の浮腫、痒み、不快感、唇の腫れ、喉の不快感、耳のかゆみなどがあり、重大な副作用としてアナフィラキシーが挙げられます。
そのため、1回目は必ず院内で服用していただき、アレルギー症状の出現に注意します。特に問題がなければ、2回目以降は自宅で少量から服用を開始し、服薬量を徐々に増やしていきます。その後、決められた一定量を継続して服薬します。
舌下免疫療法にご興味のある患者さんは、ご相談ください。